こんにちは 酪農家のウサギです
つなぎ牛舎のウサギ家牧場。
つなぎ牛舎とは、牛さんたちが それぞれ 決められた場所に繋がれている牛舎なのですが、つい先日、牛舎内で 牛さんたちの大引っ越しが行われました。
まるで・・園児から楽しめるゲーム「フルーツバスケット」のように。
ゲーム「フルーツバスケット」は、参加人数より一人分少ない椅子を円状に並べて、「いちご」「バナナ」「メロン」など フルーツの名前のグループをいくつか作ります。そして、一人 鬼の子が円の中に立って「バナナ!」と言えば、バナナグループの子だけが立ち上がって他の椅子を目指し、座れなかった子が次の鬼・・となる 懐かしのゲームです。もし鬼の子が「フルーツバスケット♪」と言えば、全員が立ち上がって、ワァーー♪キャーー♪と、総シャッフルとなるのですが・・
牛さんたちの場所が、あっちこっち入れ替わってしまった牛舎を眺めると、つい 私の頭の中に「フルーツバスケット♪」が浮かんでしまうのです・・もちろん、ゲームと違って 牛さんたちみんなの場所はありますけどね(笑)
なぜ「フルーツバスケット♪」をしたかというと、牛さんたちの病気予防・・
「牛白血病ウイルス」陽性牛を減らしていくための対策なのです。
「牛白血病」とは、ヒトの白血病とは違いまして、牛さん→牛さん感染で広がってしまう(ヒトには感染しない)病気で、今のところ ワクチンも治療薬もありません。検査をして 陽性だとしても、生涯発症しない牛さんが多いのですが、一度発症してしまうと 様々な症状が出て、為す術もなく・・の状態になります。
・・と、
2019年の酪農女性部の研修会で話を聞きながら、
(ウチの牛さんたちの「牛白血病ウイルス」の検査して、現状を把握してみたいなぁ)
と思っていました。
でも 当時は、豚熱(旧称:豚コレラ)が多発している時期、家畜保健所がその対応にいっぱいいっぱいで、「牛白血病ウイルス」検査を お願いできる状況ではありませんでした。
その後 2年間、ウサギ家の牧場は、設備投資関連でバタバタ忙しかったので、とりあえず 頭の隅によけてあった検査でしたが・・今年やっと 余裕が出てきたので、家畜保健所にお願いして調べてもらいました。
結果:およそ半数の牛さんが陽性・・
うわぁ〜・・
牛さんに関して、ちゃんとした勉強をしたことがない素人ですので、ここであれこれ 専門的なことは書きませんが(最新情報を見る方がいいですからね!)、有効的な 「牛白血病」予防方法のひとつが、陽性牛と陰性牛の分離飼育だそうです。サシバエやアブが「牛白血病ウイルス」を媒介してしまうのを、物理的に防ぐことができるからです。
大きな牧場なら、牛舎ごとの分離ができるのかもしれませんが、ウサギ家の牛舎は 1棟しかないので、「陽性牛・陰性牛」を 2mちょっとの幅がある通路を挟んだ 牛舎の左右の列で分離することに。アブたちは、数メートル飛ぶうちに口が乾いてしまうので ウイルスを媒介する確率が減る、と聞きました。
それで「フルーツバスケット♪」状態になったのです。
牛さんの移動、簡単なことではありません。
影響が多い人事異動(牛事異動?)ですから・・メガネくん(主人)悩みます。
・この牛さんは右から、この牛さんは左から・・それぞれ 搾乳に向く方向がある。
・人間関係(牛さん関係)への配慮(臆病な新人牛さんに、お局牛さんはねぇ・・)
・なるべく 搾乳を後の方に回したい牛さんがいる。
などなどなど・・。
私は私で、ウシさんのいる「場所」と「名前・性格の情報」を紐付けして覚えているので、シャッフル後、情報の更新が追いついていなくて、搾乳の時「えっと・・この子は・・誰だ?」となっています。しばらく緊張の日々が続きますね。
このように 大引っ越しは大変ですが、牛さんの方がもっともっと大変なはず!
「エサ」「友達」「場所」の変化は、牛さんの大きなストレスだからです。
「友達(慣れ親しんだ隣のウシ)」と「場所」が変わりますからね。
お詫びに・・大引っ越し後、牛さんたちにビタミン注射をしました(チクッ!もまた ストレス?)。
申し訳ないけど、元気を出して 新しい場所に慣れてね。
時間はかかるだろうけど、
陽性牛の割合を減らしていきたいです。
「牛白血病」予防の対策は、同時進行で 他にもいろいろ行っているのですが、まだ解決できていない悩みが(アブが多い季節、放牧どうしよう・・)です。自動給餌機の設定なども絡んできて「陽性グループ」「陰性グループ」と分けて放牧すればいいじゃない?という単純なことでもないそうです。
へぇ〜〜〜(ひと事モード 笑)
酪農仕事についての難しいことはよく分かりませんが、経理担当のウサギですから、エサ代が上がっているのは分かりますよ。ざっくりですが、昨年から1.5倍は価格が跳ね上がっていて、しかも まだ天井さえ見えてこない・・この先も 価格が上がることを覚悟しています。
以前、このブログ内で 放牧の脱走常習犯として登場した「ヌーちゃん」。
自動給餌機から 落とされた牧草を、パクッとくわえては振り返り、後ろへ『ポ〜イ』。ヌーちゃんの背中の上には、エサがどっさり載ってるじゃないか!!
ちょっと、ヌーちゃん!
そのエサ、いくらすると思ってんの(笑)!!
今や 高級食材ですから・・遊ばず 大切に食べていただきたいものですね。
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