放牧はじめました

こんにちは　管理人のウサギです

 

先日 小雨の中、今年の放牧初日を迎えました。

放牧初日は牛さんたちにとって特別な日。「イエ〜イ！自由だぁ〜♪」という喜びと、「でもやっぱ・・いつもの場所の方が安心する・・」という不安が、牛さんの心の中をグルグル回っているのでしょうね。

 

走って 牛舎の外へ出て行ったかと思うと、そわそわと牧草地へ向かい・・今度は 牛舎へ向かって戻ろうとするのです。

 

それを 牛舎の入り口で「戻っちゃダメ」と止めるのが いつも私の役割。

 

とはいえ、もともと牛さんが怖いウサギですから、自分の方に向かってくる牛さんがいれば、そりゃ逃げますよ・・。こんな調子なので 役に立ってるのかよく分かりませんが（笑）今年も、メガネくん（主人）から『戻っちゃダメだよ係』を任命されました。

 

メガネ「この棒を持って、今回は 放牧地の入り口に立ってて」

ウサギ「・・・これ、赤い色だけど大丈夫！？」

メガネ「大丈夫」

 

棒を渡されているそばから、目の前を パカラン パカランと 勢いよく和牛のみなさんが外へ向かって走っていきます。こんな興奮状態の牛さんを棒１本で止めようなんて・・。しかも「赤の棒」って・・（スペインの闘牛をイメージすると）赤に向かって突進してくるもんじゃないの！？

 

メガネ「じゃ、ついてきて」

 

と言っている メガネくんの雨合羽が「赤」だったので（面積的には あっちへ突進したくなるよな・・笑）と安心して、メガネくんと牛さんたち集団の後ろについて放牧地へ向かいました。

 

 

第１グループを放牧地へ誘導すると、メガネくんは次のグループを迎えに牛舎へ戻っていきます。私は、放牧地の入り口に立ち（お願いだから 大人しくしてて〜）と祈りながら 一人で見張り番です。

 

願いもむなしく、すぐに 和牛のみなさんが 入り口へ集まってきました。

 

ウサギ「だ〜め〜だ〜よ〜！通〜れ ま〜せ〜ん！」

 

赤い棒を 大きく振ってアピールします。ちょっと怖がってくれているようで、こちらへ向かう牛さんたちの脚もピタッと止まり、諦めてUターンしていく子も。こんな感じでいいのか！

 

それでも、何とか入り口の端の方を狙って 通りぬけしようとする牛さんも！

 

ウサギ「だ〜め〜！おいしい草 食べておいでよ〜」

 

と説得しながら、棒を大きく回して近づくと、仕方なくストップします。

 

（油断も隙もない・・）

牛舎へ帰りたい牛さん、それを阻止したいウサギ・・放牧地の入り口で お互い向かい合っていると、後ろから第２グループの牛さんたちが来ていて、入り口に赤い棒を持ったウサギがいるため ビクビクして入れずにいます。遠くのメガネくんから「ちょっと 入り口から離れて〜」の合図。

 

はいはい・・離れると、牛舎へ帰りたい第１グループと、放牧地へ入りたい第２グループが、入り口で対面し ごちゃごちゃ状態。私は 第２グループ応援団として、棒を大きく回して放牧地へ誘導しました。（そんな第２グループも、帰りたくなるのは時間の問題なので、緊張しながら任務を続けます）

 

第３グループの牛さんたちも無事に放牧地へ入り、入り口を閉めました。ふぅ〜。

 

 

 

 

今年も何とか  放牧初日を終えることができました。

朝の搾乳後 散歩に出た牛さんたちは、夕方の搾乳前にまた牛舎へ帰ってきてもらいます。こんなにバタバタするのは初日だけで、２日目からは、牛舎と放牧地を 落ち着いて行き来するようになるそうですよ。（私は、その時 ミルカーの洗浄作業をしているため見られない・・）

 

写真では 緩やかな放牧地に見えますが、一応ここはスキー場。冬になると この場所はゲレンデとして ウィンタースポーツを楽しむ人たちで賑わいます。そのため、見た目より傾斜があります。牛さんたちはいい草を求めて、この坂を登ったり下ったり。いい運動してますね〜。秋までの期間限定の放牧。楽しんでほしいなぁ〜と思います。